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甘凌情報収集&創作ノート

メモ―「卓氏良薬」について

凌統を回復させた良薬。その正体とは…!?

凌統伝の記述。逍遥津の戦いでボッロボロになった凌統だったけど、卓氏の良薬のお陰で死なずに済むことができた。
いや…というかこの卓氏良薬って何…というのが今回の記事。
というわけで「卓氏」っていうのが誰かは不明だけど、「卓氏」にまつわる薬の話を探してみると、以下のサイトがヒットした。

こちらのサイトでは「卓氏良薬」について、「卓氏白膏」との関係があるのではないかとふれている文章がある。しかし中文読解能力が低すぎて精読できない…。
ざっくり読んでみると、『外台秘要』巻第二十四、 范汪(東晋の政治家・著名な医学家)の著作『范東陽方』から引いた文章に「卓氏白膏」の話があるもよう。 (自分の力では出典に関するソースについて追えなかった…無念)

そこで『外台秘要』の内容を調べたところ、背中にできる悪性腫瘍への処方についての項に記述あり。

  • 中國哲學書電子化計劃 / 維基 -> 外台秘要 -> 卷第二十四

    又卓氏白膏,療癰疽發背,金瘡已壞,及未敗火瘡。諸 疥患療之方。 當歸 附子炮 細辛 芎 續斷 牛膝 通草 甘草炙 白芷各二兩 蜀椒三合 芍藥 黃 各一兩 上十二味 咀,以豬膏二升,煎之微火上,以白芷色黃,藥成,絞去滓,以敷瘡上。日三,忌同前。

効能:背中にできる悪性腫瘍、すでに悪くなった刀傷、及びまだ(熱を)除いていないやけど。諸々の腫物をいやす。
成分:当帰・附子(鉄なべで煎じる)・細辛・川芎・続断・牛膝・通草・甘草(あぶる)・白芷を2両ずつ、蜀椒を3合、芍薬・黄耆を1両ずつ
製法:以上の薬物の大きな粒をかみ砕いたら、豚の脂2升、とろ火で煎じて、白芷の色が黄色くなったら(ここはちょっとわからなかった)薬は完成。絞って滓を去る。
用法:傷や腫物の上に塗る。日に三回。摂取を避けるべきものも書いてあるようなんだけどどう見るのが正しいのかわからなかったので割愛。

効能としては凌統が戦で受けたであろう傷に効きそうな感じ…
「卓氏良薬」がこの「卓子白膏」という塗り薬を指している可能性はあるかも!というお話でした。
日に三回、薬塗ってもらって悶絶してる凌統かぁ…。

※訳は毎度フィーリングなので気になった方は調べてみてね!